香りの力に本気で挑む時が来た

なぜ、ソニーがアロマに着目したのか。
そこには、エンタテインメントを追い求め続けてきたソニーならではの理由がある。

ソニーがアロマディフューザーを開発したと聞いて、多くの人は意外に思うかもしれません。視覚と聴覚のエンタテインメントを追求してきたソニーにとって、嗅覚を刺激する「香り」のテクノロジーは、まったく未開拓だった分野です。その未知の領域に挑み、いつでもどこでも、香りによって自分の気分を切り替えるという習慣の実現にチャレンジするに至った背景をご紹介します。

AROMASTIC プロジェクトリーダー 藤田 修二

AROMASTIC プロジェクトリーダー 藤田 修二

Episode 1

視覚・聴覚の次を模索し始めた
“放課後プロジェクト”

創業以来、映像や音などを軸にエンタテインメントを届け続けてきたソニーにおいて、どうやったらエンタテインメントをさらに拡張できるのか。私は入社以来、そのことを自分なりにずっと考え続けていました。そんな中、私と同じくソニーの先端マテリアル研究所に在籍していた寒川と「何か新しいチャレンジをしてみたい」という強い思いで意気投合。私たちの商品開発プロジェクトは、放課後の部活動のような形でスタートしました。

プロジェクトのサブリーダー 寒川 恒俊

プロジェクトのサブリーダー 寒川 恒俊

ソニーという会社には、ワクワクを提供し続けてほしいという、たくさんのご要望がお客様から届きます。ワクワクとはいったい何かを突き詰めていった結果、人がどう感じるかという、感覚器官にヒントがあるように感じました。その気づきから、映像と音、すなわち視覚や聴覚以外の感覚に視野を広げ、香り、嗅覚というインターフェイスに着目しました。アロマというのは、香り単体でコンテンツとして完成されているという事実に気がついたからです。同時に、その活用方法はもっと広げられるんじゃないかという可能性も感じました。それがAROMASTICを発想した原点になったのです。

AROMASTICを持って イメージ

Episode 2

「僕らがやらなきゃ、誰がやる!」
嗅覚という未開の地へ挑戦

私は生物学系の出身なので、嗅覚が原始的な感覚器官であり、喜怒哀楽に直結することは知っていました。視覚からの刺激は大脳で処理されてから認識されますが、嗅覚は「情動脳」と呼ばれる大脳辺縁系につながっていて、大脳皮質、すなわち理性の処理なしに本能的にインプットされるのが特徴です。お店からいい匂いがすると急におなかがすいたり、香りがきっかけで、忘れかけていた出来事を思い出したり、心当たりがある方も多いと思います。

人の本能に直接的にアプローチする原始的で大きな力が香りにはあるのに、世の中には嗅覚をエンタテインメントに昇華したプロダクトやサービス、テクノロジーがほとんどありませんでした。ソニーにとっても「香り」はまったくの未開拓分野。成功への確証はどこにもありません。しかし、「僕らがやらなきゃ、誰がやる!」という信念が、私と寒川を突き動かしたのです。

Episode 3

クラウドファンディングで
目標の1000万円超えを達成

私たちの思いを事業化まで導いてくれたのが、ソニーが当時、新たな取り組みとして導入したばかりだった新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(通称:SAP)」です。私たちはメンバーを募り、始まったばかりの社内公募プログラムに応募。なんとかプレゼンを勝ち抜き、狭き門を突破することができました。

Seed Acceleration Program概要図

商品開発も試行錯誤の連続でした。天然の精油をそのままカートリッジに閉じ込めるなんて、誰も挑戦したことがなかったですから。最終的には、バイオテクノロジーなどで活用されるマイクロ流路技術から着想した独自の構造を作り上げることで、精油が漏れたり混ざったりしないオリジナルのカートリッジを実現しました。さらに品質管理の観点から、ソニーの国内工場での生産を決定。量産化を実現できたのは、ソニーのものづくりの力があってこそだと感じています。

オリジナルのカートリッジ構造図

香料の調達をどこからするかも大きな課題でした。当然ながら、社内で香料会社と繋がりのある部署なんてありません。お店を回ったり、展示会に参加しサンプルを集めたりと、さまざまな香りを地道に試していった結果、オーガニック素材に徹底してこだわり、お店の雰囲気からもお客様を大切にしていることが感じられる英国のヘルス&ビューティーブランド「ニールズヤード レメディーズ」の香りがいいとメンバー間で意見が一致しました。ダメもとでウェブサイトのお問い合わせフォームからコンタクトしてみたところ、「ソニーって、あの家電のソニーですか? 何かの間違いでは?」と、当惑されながらもお返事を頂くことができ、タイミングよく梶原社長にご説明する機会も得ることができました。当時は、商品の形も決まっておらず、試作品でのご紹介でしたが、私たちの目指すビジョンに理解・共感頂くことができました。結果、パートナーシップを組み、念願のアロマオイルをご提供頂けることになったのです。

>ニールズヤード レメディーズ 代表取締役 梶原 建二 氏

ニールズヤード レメディーズ 代表取締役 梶原 建二 氏(左)

その後も地道なニーズの調査活動やプロトタイプの改良を重ね、事業化への最後の試金石となるクラウドファンディングを通じた市場ニーズの確認では、1000人近い方からご支援頂き、目標金額の1000万円を超えることができました。試作品しかお見せできない当時の私たちを信頼し、開発のチャンスをくださった支援者の方々には本当に感謝しています。

クラウドファンディング達成金額

Episode 4

誕生したのは、
“香りのいいとこ取り”ができる新商品

AROMASTICは、ボタンを押している間だけ、ふわっと自分だけに香り、ボタンを離した途端、香りは感じられなくなります。つまり、香りが残らず、混ざらず、瞬時に自分の嗅ぎたい香りに切り替えられる。そのメリットに気づかせてくれたのが、脳科学者の茂木健一郎氏です。「香りは、たとえそれがいい匂いでも、すぐに慣れてしまう。なので嗅覚を刺激する最初のインパクトが肝心。AROMASTICは香りを切り替えることで、純粋にその部分だけを味わうことができる、“香りのいいとこ取り”ができる製品」という彼の言葉が、AROMASTICのさらなる魅力に気づくきっかけとなったのです。

茂木 健一郎 – Sony Computer Science Laboratories

香りに詳しい別の著名人からは、「AROMASTICは水や熱を一切使わず香らせるため、他のアロマディフューザーのように、水を使うことによる成分の加水分解、熱を加えることによる酸化の促進や変質が起こらず、高純度なアロマをいつでも楽しめる点が素晴らしい」との声もいただきました。また、ミストディフューザー、オイルウォーマーやキャンドルでのアロマの使用をやめてしまった人の7割が「面倒だったから」と答えた調査結果から、メンテナンスや掃除、準備や片付けが不要で、簡単・手軽に使えるというAROMASTICのニーズを強く確信することもできました。

Episode 5

香りは世の中を変える可能性を秘めている

こんなエピソードがあります。「ソニーもよくわからないものを作って、いったいどうしたんだ!」と、厳しい言葉を投げかけられていたお客様が、実際にお試しになられて、「あれ!? これはいいかも!」と最終的にはお買い上げいただくにまで至ったのです。

Aromastic本体とカートリッジ

AROMASTICは、これまでのアロマディフューザーとはまったく別次元の製品です。どちらかというと競合は、コーヒーやミントタブレット、エナジードリンクなど、気分をリフレッシュしたり、集中したりして、自分のパフォーマンスをその時々でコントロールするための商品かもしれません。特に男性には、香りだからという先入観で敬遠しないで、まずは試して頂きたいです。お客様の半分は男性ですし、きっと新しい発見があると思います。実際、仕事の際の気分転換に活用しているという男性からの声もありますし、「これが欲しかったんだよ!」と昼休みに抜け出して買いに来られた方もいます。また、「お守り」のように使っているというお客様からの声もあり、もしかすると「ストレス」という言葉すらなくなる世の中が実現できるのではと、可能性を感じたりもしています。

藤田修二

ソニーがウォークマンを開発し、初めて音楽を持ち運べるものにした当時は、外で音楽を聴くことが変な習慣に見えたかもしれないですが、今となってはすっかり当たり前のことになっています。音楽を持ち運べるようにしたことが、音楽を聴くシーンだけじゃなく、人々のライフスタイルそのものを変えてしまった。今では老若男女を問わず、勉強にも、スポーツにも、生活のあらゆるところで音楽が寄り添っています。それと同じように、誰もが香りを自由に持ち歩く世の中が訪れる。そう私たちは信じていますし、そんな世界を実現していきたいと思っています。人が嗅覚という感覚を今よりもっと活用したとき、一体どんなライフスタイルが訪れるのか。私たち自身も今から楽しみでなりません。

Aromastic開発メンバー

LINEUP

AROMASTICとは

手のひらサイズで、
どこでも一緒に
自分だけに香る
アロマディフューザー。

香りはカートリッジ式なので準備いらず。
後片付けやお手入れもいりません。1つのカートリッジに複数の香りが含まれるので、好みに合わせて、瞬時に香りを切り替えられます。

  1. カートリッジセットイメージ

    AROMASTIC本体にカートリッジをセット

  2. ダイヤルイメージ

    ダイヤルを回して香りを選びます

  3. ボタンイメージ

    ボタンを押すと香りが出ます

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